歯磨き粉に入っている発泡剤による口腔粘膜剥離のダメージについて歯科医師が解説します!
今回は歯磨き粉に入っている発泡剤による粘膜ダメージについてお伝えしたいと思います。
歯磨き粉の中には、お口の中に歯磨き粉を拡散させて、よく広がるようにしたり、お口の中の汚れを除去する洗浄効果を出すために、発泡剤としてラウリル硫酸ナトリウムという成分が配合されているものが多くあります。これを粘膜剥離といいます。
ラウリル硫酸ナトリウムは、強力な陰イオン性界面活性剤であり歯磨き粉だけでなく洗口剤、洗濯用洗剤、シャンプーなどに多く使われます。洗浄効果などがある一方、細胞膜を破壊し細胞を溶解させたり表層の口腔粘膜の上皮を剥離させたりします。
とはいえ多くの人の場合、ラウリル硫酸ナトリウム配合の歯磨き粉を使用しても問題はありません。歯磨き粉に含まれる発泡剤で粘膜剥離する人と、しない人の違いには明らかではありませんが口腔乾燥症状がみられ、口腔粘膜がやや委縮気味でもあり、女性かつ中高年に多い傾向があるようです。
もちろん上皮剥離するのは発泡剤だけが原因ではありません。
・硬い食べ物、熱い食べ物
・詰め物がとがっている
・入れ歯の支えるバネ
・歯茎に触れる入れ歯の淵の部分
・適合の良くないかぶせ物
・歯ブラシ、口腔清掃用具の不適切な使用
・誤った噛み合わせ
上記のいずにも該当しない場合で、粘膜剥離が見られる場合には、ラウリル硫酸ナトリウムが原因となっている可能性があります。
歯磨き粉を購入する際に成分表を見て頂き、ラウリル硫酸ナトリウムを含まない歯磨材に変更してみることをおすすめします。
参考文献
ウェルテック「歯磨剤に起因する口腔粘膜剥離について」
執筆者
プロフィール
譽田 徹Toru Honda
ほんだ歯科医院おおたかの森
理事長
当院では、患者さんお一人お一人を自分の家族や大切な人のように思い、より安心して良質な歯科治療を受けていただくために、ホスピタリティを重視しております。
その為にも常にスタッフと連携し、あらゆる面での改善に向けて励んでおります。
患者さんとの信頼関係を築きながら診療を進めてまいりたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。